ワインの酸

ワインに含まれる酸は味わいに様々な影響を与えます。

 

多くの酸は味わいはあっても、香りはない。

よく『このワインは酸っぱい香りがする』という人がいるけれど、私達の鼻にはそれを感じ取る器官が存在していません。

 

実際は私もそのうちの一人で、酸の香りが経験的にすると考えています。

特に鼻先でそれを感じることが多いのですが、特に根拠は無いそうです。

しかしグラスを回すことによってエアロゾル(気体の中に微粒子が多数浮かんだ物質)が鼻の粘膜に到達し、そのように感じさせるのではないかといわれています。

 

ワインに含まれる重要な酸

一般的に白ワインには4,0-9,0g/l、赤ワインには4,0-6,0g/lの総酸値を持っています。

下記が特に舌で感じ分けることができる種類の酸です。

 

リンゴ酸 0,0-6,0g/l

酒石酸  0,5-4,0g/l

乳酸   0,8-3,3g/l

コハク酸 0,5-1,3g/l

クエン酸 0,0-0,3g/l

蟻酸(ぎさん) 極微量

酢酸   0,15-1,2g/l  

酪酸   極微量

吉草酸  0,001-0,002g/l

 

この中からテイスティング時に重要な3つの酸を紹介します。

①酒石酸

酒石酸はワインに含まれている有機化合物の一つ。

リンゴ酸やクエン酸は自然界に分布する様々な果実に含まれています。

比べて、酒石酸はぶどう特有のものであり、ワインの酸度を左右する重要な酸です。

 

酒石酸はワインに含まれている酸としては一番酸味を感じることができるのだけれど、リンゴ酸ほどアグレッシブな若い酸っぱさを感じません。

ワインに含まれた他の含有物(例えばぶどう糖)と結び付き、バランスのとれたハーモニーを感じることがで来ます。

熟成したワインに特に多く含まれている。

 

ちなみに、酒石酸は皮膚の弱酸性を保つ働き、または微生物の発育阻止効果があるほか、毛髪の成長を促進させる作用が知られています。

②リンゴ酸

リンゴ酸もワインに含まれている有機化合物の一つ。

和名はリンゴから見つかったことに由来します。

 

リンゴ酸の味わいは、ちょうど梅干しを食べた時のように口を窄んでしまうような酸っぱさ。

若々しくてトゲのある酸味です。

 

涼しい生産地域や冷涼な収穫年にとれたぶどうは多くのリンゴ酸を持ちます。

反対に、熟したぶどうや暖かい地域でできたぶどうにはあまり多く含まれていません。

③乳酸

乳酸もワインに含まれている有機化合物の一つ。

果汁やワインに含まれるリンゴ酸が乳酸菌の働きによって、乳酸と炭酸ガスに分解される発酵を「マロラクティック発酵」と呼びます。

そのマロラクティック発酵により、リンゴ酸が減少し、乳酸が増加するのです。

 

ワインのpH値は変わらず、酸の味わいをマイルドにしてくれる働きがあります。

香りにバターやヨーグルト、アスパラガスやゴムの香りがすることが多く、少し粘ついたような印象を感じるのも特徴の一つです。

【まとめ】

酒石酸→バランスのある酸味でトゲトゲしさは無く、バランスがとれている。

リンゴ酸→アグレッシブで若々しい酸を感じる。

乳酸→マイルドな酸味とバター・ヨーグルトなどの香りが特徴的。