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ヴィーガン・ワイン

ヴィーガン・ワインと聞いて何を想像したでしょうか。

 

私が日本でこの言葉を聞いたとき、パプリカか何かの野菜でアロマを添加しているワインのことだと思いました。

「ワインは動物性じゃないでしょう。だってぶどうから造られているのだから。」

そう思っていました。

 

結論から言うと95%は間違いではありません。

ではいつ肉や魚がワインに使われているのでしょうか。

 

清澄

畑仕事で、動物性のものがぶどうに直接影響を与えることはありません。犯行現場はセラーでの醸造作業にあります。

 

ワイン発酵後の清澄という工程が犯人です。

これは一言で書くと、発酵後のワインの透明度を上げる作業、で間違いないと思います。

フランス語ではコラージュという名称。こちらの名前の方がワイン学習した方には一般的ですね。

 

もしかしたら赤ワインの清澄化に卵白を使うのは聞いたことがある方もいるかもしれません。

もう答えが出てきましたね!卵白です!

これは動物性ですから、ベジタリアンは大丈夫でもヴィーガンの方は完全にアウトです。

他にもゼラチンやカゼインなどを清澄剤として使用することがあります。

 

発酵後のワインに清澄剤を混ぜることにより、様々な成分(ワインを白く濁らすもの)と結びつき、貯蔵タンク底に沈みます。

その後、タンク内のワインを濾過することにより、瓶詰後のワインが温度の変化などの原因により、白く濁ることを防ぐのです。

 

ヴィーガン・ワインを造るためには、この動物性タンパク質を植物性に置き換えなければいけません。

そのために今日では、豆やジャガイモからとれた澱粉を使用します。

 

 

※清澄については別記事で詳しく書くことにします。

ヴィーガンワインが増えていない理由

植物性タンパク質と動物性では味にほぼ差はありません。

値段も植物性タンパク質の方がとても高価であることもありません。

では、なぜ全てのワインがヴィーガンにならないのでしょうか。

 

私は2つ原因があると考えています。

 

1)ヴィーガン・ワインと自然派ワインの意味が混同する

 

ヴィーガン・ワインと聞くと、より自然に寄り添ったワイン造りだというイメージがあります。

最近よく聞く自然派ワインという言葉。定義が無いマーケティング用語ではありますが、ここではビオ・ワインを例に使います。

 

単純です。ビオ・ワインでも動物性タンパク質を使用しているケースがあるのです

反対にヴィーガン・ワインは、ビオ・ワインが定める規定を満たしていない可能性がありますが、動物性タンパク質は使用しません。

 

市場のイメージと実際の醸造内容が違うと、消費者が迷います。

 

2)認定マークが高い

 

ドイツにはヨーロッパ同様にヴィーガン専用連盟(ProVeg Deutschland)があります。

そこから発行されるマークを使用するためには約5000~15000€(ワイナリーの大きさによる)を支払うのです。

 

小さなワイナリーはこのコストを分散することが難しいのです。消費者は20セントでも値段が上がれば、敏感に反応します。

逆に大きなワイナリーでは支払うことも可能でしょうが、手摘みでない機械収穫の場合も多くあります。

機械収穫のほうが当然コストは下がります。

隠れヴィーガンが実は多い!

実際は申請をしていないだけで、年々多くのワイナリーが植物性タンパク質のみの清澄剤を使用しています。

極度のアレルギーをお持ちの方以外は安心してワインを飲んでください。